「今年の色」は遠く見晴らす水平線のブルーグリーン、「ホライゾングリーン」
世界に、ヒトに届けたい・・・希望のメッセージとして選ばれた2025年の「色」
日本流行色協会が2025年の色として発表したのは「ホライゾングリーン」。
協会のホームページによると「世の中に向けたメッセージカラーとして」選定したとあり、
単にトレンドの提案ではないことが理解できます。
国際情勢や自然環境に不安要素が多く感じられる昨今、
”時代を冷静に読むまなざしやその先にある希望のイメージを重ねた”という一文が響きます。
日本流行色協会(Jafca)2025年の色は”視野が広がるホライゾングリーン”
さて、そのホライゾングリーン、こんな色です。
「お?水平線の色としては濃くね?」
「水平線てこんな色だっけ?」って思いますよね。
日によって、時間によって移ろいある色ではあるけれど、
おおかた誰もがおもう水平線の色って、きっと淡く明るいブルーグレー。
すこしブルーベリー色をおびているかもしれない。
ここからは想像、妄想。
晴れた一日の終わり、空と海の青が広がる風景に影が濃くなりだしたころ、
水平線の向こうに太陽は落ち、鮮やかな朱色が青に干渉し、緑をかんじさせる・・
この色を「ホライゾングリーン」と呼んだ人は、
その時、その場所で、その色を見たんだよ、きっと、もしかしたら、しらんけd・・。
チャットGPTにイメージ作ってもらいました。
ホライゾングリーンな石、”上等の”グランディディエライト
ホライゾングリーンにぴったりはまるのがこの石、グランディディエライト。
マダカスカル産の希少石ですが、石の品質差が大きいのです。
よく見られるのが淡い緑、黄色がかった緑、くすんだ色のもの。
高品質とされるのは濃く鮮やかな青緑で透明感があり、そしてインクルージョンが少ないもの。
ただ・・・・インクルージョンについてはどちらかというと、あった方が石っぽい・・・といいますか、
そこに石の時間を感じられるので面白いと思っています。
さて、深い青緑色のグランディディエライトをごらん下さい。
2枚目は斜め下からも光を入れて撮影しています。環境光は午前中の太陽光です。
きれいでしょ? そう、感じてくだすったらいいなぁ。。。
ちなみにこの深い色はナチュラル。
宝石類には加熱処理、樹脂含浸、放射線処理などで色を改善することも多いのですが
グランディディエライトにはまだその技術が確立されていないそうです。
断っておきたいのは、石に処理を加えて輝かせることを否定しません。
美しい装飾品として技術を駆使するのは当然です。
くすんで重い藍のサファイアよりもカットの一面ごとに輝くファセットカットに仕立てたそれのほうがよろこばれるでしょう。
良質や完璧を求めて地を掘り返しまくるよりも、技術がそれを補うことはゼンゼン有りだと思っています。
だけど、好きなのよね、重い藍色のサファイア。・・たとえばこんな感じ。
ちなみに世界の色の統一基準となっているPantoneが選んだ今年の色は「モカムース」
赤みのあるあたたかなブラウン系。
こちらはファッション、インテリアなど様々な業界のトレンドに影響を与えるそうです。
ホライゾングリーンのグランディディエライトを使ったリングとペンダント
銅線を巻いてハンダ付けするソフトソルダリングの方法で石を支えています。