Go to 高野山!①~宿坊・西禅院
高野山~天と地をつなぐ場所
目的は「香りを訪ねる」ことでした。
以前、樹脂香について書きました。
そのときに縁のあった「高野山太師堂」。
実際に香はどのような姿をしているのか、どのような形をとって活かされるのか。
それを知りたかった。
コロナ禍の状況の下、確実に町が動いていると思われる週末を選んで日程を立てました。
そしてせっかくの高野山、その一片に触れようと、
宿は「宿坊」に求めました。
お寺に泊まる。
いつもの旅行とは違う、特別な期待。
行き当たりばったりにみえて、意外に計画的なのです(自慢)。
ルートマップと予約表を出力し、簡単なマップをメモする。
準備万端、なんてきっちりしているんだ、わたし!
と、同行する娘に見せましたら、
「うゎ、紙媒体」って鼻で笑われた。
なにそれ、ええやんかっ。頭入るやん。紙媒体、サイコー。
「スマホ開く方がはやい」
ムッキー><、これだから最近のワカイモンはっ。
とりあえず、お守りだと説き伏せて、紙媒体も携行。
・・・いやぁ、まったくスマホ検索とか、思いも浮かびませなんだわ(ションモリ)・・・
雨雲も裂けて我々の行く手を祝福する!
レッツゴーKoyasan!
高野山日記を「宿坊」「薬と香」「高野山の食」にわけて記します。
おつきあいくださいませ。
宿坊・西禅院
高野山はそのエリアそのものが聖地。
唯一の寺、「金剛峯寺」と僧の住まう「院」、
参拝者をはじめとする外部からの訪問者が泊まる「房」からなります。
いまの宿坊は院の一画を借り、一般の旅館やホテルにも勝るホスピタリティで過ごすことができるのです。
ありがたやありがたや・・・^^。
食事は精進料理、朝のお勤めや各スポットをお坊さんに解説していただける特典付き(希望者)。
高野山を満喫するなら宿坊だっ!
今回口コミサイトを見て、「宿坊・西禅院」に伺うことに。
師僧によりますと、そんなこんなも「仏教に触れていただくチャンスと心得ております」とのことだった。
よろしくおねがいします!
大阪方面から480号線をあがっていくこと、標高約800m、
玄関口の大門を左に折れ、ちいさな隧道をくぐり、ゆるやかに右にカーブしたすぐ左、
ロータリーの先に西禅院はあります。
右手に壇上伽藍、専用駐車場は院に隣接しています。
のちほど受付で「駐車許可証」の紙をいただいてフロントに置いておきます。
GoToキャンペーン対象だった!
料金は前払いです。一定の金額以上ならカード決済もできます。
なんとあのGoToキャンペーン対象!
「んなもん、ただのごり押し忖度企画、コロナ拡散やん」などと思っておりましたが、
いざ使えるとなると「ほゎぁ、ラッキィ、ええ企画やな」と、まじ世俗。
具体的に申しますと、24000円(二人分)から8400円引かれましたので、
おっきいです。。。ふむ。。。ちょっと戸惑うくらいです。
マスク、アルコール消毒徹底です。(ああ、はやくこれから解放されたい・・・)
お寺ダンジョン
長く細い廊下はアップダウンし、
どこに続くかと思う奥まった扉やらカーブがある。
きしっきしっと音を立てる廊下に、なんとなく足をしのばせたりする。
お寺の時の長さを感じさせる。。。。
でもWi-Fi完備。
さらにトイレや洗面所、お風呂などリニューアル済み。
トイレ、洗面所のあるお部屋もありますが、共同トイレ・洗面所がノーマル。
朝、洗面所で知らないもの同士が顔を合わせて「おはようございます」と控えめな声で挨拶を交わす。
久しぶりの感覚です。
お風呂も新装されて、御影石のおちついた雰囲気。
家族風呂の広さで、入り口に入浴中のしるしを置くようになっています。
お部屋はいろいろなタイプがありますが、
今回は贅沢して二間続きをチョイスしています。
もう(着いたの11時ごろ)おふとんが敷いてあった。なんか、淫靡。
あ、いかんいかん、世俗。(~~;
このあと、お寺の自転車を借りて、通りへ繰り出したのです。
宿坊の食
17:30より夕食。
もちろん精進料理。
担当のお坊さまがセッティング。
なんだか、とってももったいない気がします。
「あ、自分でやります」って言いたくなっちゃう。
高野山ではそこかしこで僧のみなさんをおみかけします。
腰に引っかけるような作務衣パンツ姿で、みんなモンクにみえるぅ!
格闘技とかされるんですかあ??かっこいい・・・・あっ!また世俗。
焼き物の鍋は、生麩、かぼちゃ、こんにゃく、シメジ、トマト(!)。
したにすこし醤油がひいてありますが、食すときにはポン酢か味噌を添えます。
笹につつまれているのは、このあたりの銘菓、「あん麩」でした。
飲み物(お酒)はいかがなさいますかと聞かれて、せっかくなので「じゃぁ、お願いします」と追加発注。
お酒、いいんですかと尋ねましたら
お酒は「般若湯」ビールは「麦般若」っていって言い訳しながら飲みますよ、って
お坊さん笑ってた。
また、急須はあるものの湯飲みがないのは、
食後、お茶碗にお茶を注いで、ごはんをきれいにたべきるのだそうです。
だから「お茶碗」っていうんだって!へぇ、そうなんや。
ちなみにわたしがちいさいころはみんなお茶をお茶碗にいれてすすってました。
最近、何かの折にそうしたところ、
娘が下品だからやめろ、なあんて言いやがりましてね、
どーだ!仏様の教えなんやぞ、と、どや顔。
お食事、軽そうに見えますでしょ。
なんの、おなかパンパン。
本来は一汁一菜でしょうから、おつゆやお漬物は塩がきいたものです。
塩味と素材本来の味がうまくまじりあって
どれもおいしく、とくにごはん、おいしいの!!!!!
もう、しあわせ~って感じです。
朝食は勤行後すぐ。広間でいただきます。
ヘルシー&テイスティ。
夜の散歩は神秘的な壇上伽藍ライトアップ
夜の7時はすでに暗く、ひと雨きたあとでひんやり。
非常に静かで、車も人も、ほとんど通りません。
道を渡った壇上伽藍がライトアップされ、
鮮やかな橙の根本大塔と渋い金堂、御影堂が神秘的に浮かびます。
天上の木星・金星がいつもより印象的に見えます。
翌朝の師僧による壇上伽藍ツアーにより、あたりをより深く知ることになるのですが、
これはぜひ参加されることをオススメっ!
お話は生き生きとしており、まるで千年の昔のその場にいるような心持ちがいたしました。
壇上とは曼荼羅舞台。ゆえにすこしの高台にあり、あるいは土を盛ってそれを作るのです。
伽藍とは僧の修行する清浄なエリアのこと。
鮮やか橙色の根本大塔は仏の座った形。一方、五重塔などは立った形だそうです。
画像、正面・金堂に秘仏、また右手に御影堂(みえどう)。
御影堂には弘法大師の肖像画が収められていますが、師僧様も見たことがないんだって。
大師の入定・835年後すぐに描かれたと伝えられているので、
約1150年、画はひっそりとそこにあるわけです・・・。
じゃあ、その保全はどうなっているのかと質問しちゃった。
そうしましたら、以来5回、阿闍梨さまによって「模写」されているそうです!
「僧というのはなんでもできちゃうんです」って師僧は笑ってらした。
アーティストやね。
口伝とおなじく、模写によって大師の姿を伝えているのです。
でも、その阿闍梨よりほか、だれもそれを拝することはない。
完・全・秘・伝!なんて神秘!・・・けど、ちょっと見たい。世俗。
朝の勤行参加
6時半からの勤行に参加すべく、6時前には起床。
どっぷり寝ちゃったのですっきり。
けど娘はこどもが廊下を走る音が気になったといっていました。
すわ!座敷童!?
いや、ちがうんですけどね、たぶん。でも、それがいてもおかしくない、むしろ面白いかも。
にしても、階下からの音なのに、そこに廊下はなく、一体どこからきこえてきたのか、わからない。
やっぱり座敷童、ということにしよう。
本堂への動画です。ご一緒にまいりましょう。
着物の袷もおなかのでっぱりでうまく合わさらず、
大胆に(!)胸元をあけていらしたのだそうです。
「おま、それじゃ寒くね?」といって、
嵯峨天皇がみずからの衣の袖をちぎって、大師様におかけになったのですと。
約40分。
お経はうつくしいメロディの「詠」でした。
宿坊はきっちりタイムテーブル
食事、入浴、勤行、門限、お坊さんと回る壇上伽藍ツアーなど、すべてにきっちりしたタイムテーブルがあります。
これをして、のんびりできない、自由にできないと感じられるでしょうか?
いえいえ、宿でなにをしたらよいかわからず、だらだらゴロゴロってありますよね。
それがない。むしろここちよいタイムテーブル。
お寺に泊まることの愉しみがそこにあるのです。
ちなみにWi-Fi、わたしたちの部屋までとどいてなかったー(w)!
4Gでちゃんとスマホ使えますけどね。
たまにはすっきりネットから離れましょうよ。
ありがとうございました。