夜の嵐~台風20号通過
ただ打ち付ける雨音を聴く動画~夜討ちの台風20号
夜討ち、はまちがいかもしれない。
予報もあったし、昼からの雲の速さは夜の嵐を予告していた。
ただ続く雨と風の音を聴き、ただ打ち付けるような雨の様子をみるだけなのだが、
飽きない。
畏れるでもなく、この嵐の終わりを期待するでもなく、
ぞくぞくするでもなく、妙な癒しを感じるでもない。
自分があたりの草にでもなったような、そんな感じだ。
山はどうしてるだろう。あの鹿や、猪やタヌキたち。
それは 想像した。じっと集まって、時間の過ぎるのを待つのだろう。
動画の撮影を止めてゴロリと横になったところで、パタリと嵐が止んだ。
ほんとうに、パタリと止んだのだ。
「ああ、目にはいったのか」
今頃空を覆う大きな渦を想像する。
脳だけは宇宙に飛んで、遥か上空から渦を見ているような気分。
30分ほどで、嵐は再開する。
再び雨と風は打ち付けてきた。
それを聴きながら眠りにおちていく。
予報通り、朝には嵐は去っていった。
風だけが、残されている。