真夏の夜道のインセンス~ジャスミンのように香るクサキの花の群れ

それはクサキというらしい

 
夜になると車の通りもほとんどなくなるいつもの峠道。
ジャスミンのような芳香に誘われて、車を傍らに停め、全開の窓からその香りの正体を探る。
白とピンクがグラデーションする繊細な姿のその花は、
「臭木」クサキ、或いはクサギというらしい。

 
翌朝、あらためて画像におさめてきた。

 
クサキが群れる道

 
クサキの花

 
ジャスミンのように香るクサキの花

 
あたりのヨウシュヤマゴボウなど、あらゆる草木にからみつくように茂っている。
それにしてもこの芳香にして「臭木」とは。
しらべてみると、花以外の全体に臭いがあるらしい。
だいたい、臭い木といえば カメムシっぽい臭いかな、と想像する。

 
ねむの木に覆いかぶさる葛

 
白くとんじゃってますが、これは満開のねむの木におおいかぶさっている葛の様子。
その根はおいしい葛粉になるし、豆のような紫の花も美しいが、その繁殖力に辟易する。
我が家の裏山にも繁茂しており、フェンスを越えて、庭に伸びている。
刈ろうとさわると、カメムシ臭がするのでなんとか触れないようにしたくなる。
じっさい、葛にはちいさな、テントウムシくらいのカメムシの仲間がずらずらっと張り付いているのを見る。
姿はかわいらしく、オリーブグリーンもつやつやで、「あ、リングにしたい」(←アカン!)と思う大きさだが
小さくてもなかなかの臭さ!!まったくもって、ニンゲンにはやっかいなヤツだ。

 
クサキもたぶん、そういうものかな、と思う。こんど決心して葉に触れてみよう。

 
このカメムシの臭い、以前、モミ藁の山でふわっと似たような匂いだと感じた。
一方は悪臭、一方はノスタルジックな芳香だが、もしかしたら、同じ列にある匂いなのかなと思っている。

 
それでも、花は、夏の空気に清涼感のあるエッセンスを加える。
野生の香りは虫を誘って、サバイバルするのだ。
その不思議と力強さに感動を覚えながら、
またしばらく、その香りを楽しむのだ。


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