錬金術、占星術、魔術、オカルト・・古文書212冊の密かな愉しみ

不思議の国のアリスは言いました。

 
「絵のない本なんてつまらないわ」

 
占星術者のためのガイド

 
・・・・ほんまや!
ていうか、ウェッッてきた(°°;・・・。
こりゃ、読めないよ。。。

 
15世紀から19世紀初頭の錬金・占星・魔術の本を集めてみた

 
きっかけは大天使のSigil。
シンボルとはちょっと違います。
シジルは紋章、記号、印の意で、
シンボルが具体性のある図柄であるのに対し、線や記号で描画されたもの。
ある規則性をもっていて、暗号のようで、とても興味をそそられるのです。

 
ミカエルとラファエルのシジル

 
ブルーはミカエル、ブラウンはアズラエルのシジル。
ミカエルは守護、アズラエルは慰め・支援という主な役割があるそうです。
それにしても、不思議すぎる!
記号の配置もばらばらしているように見える。
なんだか自動書記されたんですか?って聞きたくなる。

 
サイン、護符、といって思い浮かぶのは魔術や呪文。
シジルを探るのにそこから始めようと、ダウンロード可能な古文書をあたっていてみつけた”まとめ”。
それが212冊にも上る錬金術、占星術、魔術などを記したものだったのです。

 
時間トリップの愉しみ

 
古文書の表紙

 
これは表紙の一部。
最古は1486年版。表紙だけで時間トリップできそうです。
本を開くとほとんどが文章で期待していた図版がない!!!
けど、膨大なpdfデータをガーーッとスクロールさせて探してようやく見つけた図版を集めてみました。

 
ペガン、ウィッカ、ソロモンの図版

 
なかなか興味深いものが出て参ります。
右のギリシャ文字の丸は敵対する者を円の中に閉じ込めておくという、ちょっと怖い呪術的なもののようです。
ここですでに天使のシジルは関係なくなり、
本のキーワードとして見えてくるウィッカンやペーガンに惹かれます。

 
PaganとWicca

ペーガンもウィッカン、どちらもキリスト教からみて異教、異端者集団。
一つの神を信じることのない邪宗であり、蔑称として使われます。
一神教はその中では寛大で力強い救いにもなりましょうが、他者に対して厳しい。
持論ですが、厳しい自然のもとでそれらは生まれる。
空気中の水分量が人々の精神に関わると思っています。
水場を守る(=家族を守る)ために争いも起こる。
強いリーダーを中心に結束した集団もできましょう。
いっぽうで自然豊かな地では自然崇拝もおこりやすい。
木に岩に水に動物に、神を見るのです。
民間信仰、自然崇拝、シャーマニズム、多神教、
キリスト教社会では、それらはすべて「ペーガン(Pagan)」=野蛮、田舎者なのです。

 
そして迫害を受ける者も現れる。
伝承の自然・民間療法などすれば魔女、ウィッカンとして非情な目に遭います。
そのものたちを救うのがDIANA。
ウィッカ信仰の原初の女神。
DIANAは内なる闇からルシファーを生み、さらにルシファーとの間に女神・Aradiaを生みます(なんだと!?)。
この話は212冊の内のひとつ、
「Aradia, or, the Gospel of the Witiches(アラディア、あるいは魔女の福音)」に著わされます。

 
212のタイトルからみえるもの

 
全編英語だし?3行も見たら(読まない)白目になりそう。
A4用紙にタイトルだけ打ち出したら、10枚にもなった。
タイトルも読み物。
ちょっとピックアップしてみます。

 
錬金術の過去、現在
黒い羊/魔術的護符の科学
黒魔術の本
アルス・ノートリア
ドルイド僧の小道
神秘の落ち穂/神秘主義的実践についての一連のエッセー
コットンメイサーとセーラムの魔法
神秘主義と神話の構築
占星術・そのテクニックと倫理
聖域の上の雲
デビルのすべて
マレウス・マレフィカルム/魔女に与える鉄槌
オカルトサイエンス/超越的な教義と実験の概要
魔術と迷信
悪魔学と悪魔の叫び
オカルトマニュアル
イーヴィルアイ/古代にひろまったこの迷信についての考察
オフィオラトレイア/蛇崇拝
*
*
*
オカルトなどお好きなら、ちょっとワクワクしますよね。わたくし、いたします^^
映画オーメンやエクソシストを見たときは、ひたすら、聖書と照らし合わせてみたものです。
信仰心はありませんが、宗教だとか、風習だとか、言語だとか、それぞれにある文化の根底をみるようで、
観光するのと同じくらい、興味深く、楽しいのです。

 

拾い読み① 精霊の棲む木

 
The haunts, homes,and the habits of witchesによると、
アッシュ、ウォルナット、リンデンや柑橘系の樹木を精霊たちが好むのは、
それらの樹木がこの形状だから、なんですって!

 
拾い読み② 錬金術のほんとうの目的

”錬金術師たちが皿の上に金を作ろうとしたのは、富を得ようとしたからではない。
大衆の最大の偶像である「金」がいかに些末なものであるか、
崇拝すべきは唯一無二の神である。
金など簡単につくれるではないか!
それを証明したかったのだ。
錬金術師たちの究極の信仰心は、しかし、安っぽい企みに終わってしまうのだった・・・”

 
いや、あなたたちの化学的功績はたたえられるものがあったのだよ。
希望や探究心は時を経て、今につながっている。

 
拾い読み③ ジプシーのおまじない

 
ジプシーのおまじない

 
お水よ、お水、広がりなさい!
お水よ、お水、ぐんと広がれ!
そしたら病気も消え失せる
病気は打ち砕かれましょう
今こそ打ち砕け
決してここにとどまってはならぬ!
だれがこの子を見過ごしたことがあったでしょう
ポットの中の木の葉のように
ニヴァシに捧げる木の葉のように

 
病気の子供をバスタブにつからせ9回歌う。
その場面が思い浮かびそうです。
9というのは北欧神話でも神聖な数字と読んだことがあります。

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結局、天使のシジルにはたどり着きません。
大量の書物も、もっているという満足だけになりそうです。
けど、時代を超えて、本は残る。
それを目にしたことは、やっぱり楽しいことなのです。

 
占星術師

 
最後に戦う占星術師の図。
ゲーム的だね。^^

 


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