娘・24歳、はじめての停電生活～関西大停電・台風21号余波

　
3時間だ。
わずか3時間の嵐が街も変えた。

　
いや、3時間は悠長なのでしょう。
あの地震や、爆発などに比べれば。

　
それでも、今回の台風21号が過ぎ去るまで3時間という予報は
ぴたりと的中していました。すごいなぁ、進歩やなあ・・・

　
3時間で収まるという、「いつもの」台風だとたかをくくっていたけれど、
そのあいだに、なんと2階が浸水してしまった！
ベランダに溢れた水が入り込んでいたのです。
「なんでやねぇぇん！」と、ありったけのタオルでしのいだが、
我が家、それを笑い話にできるだけの、まだ、余裕があったのです。
命を落とされた方もいるという。
大きすぎるダメージに、これから対処していかなければならないおうちや企業もあるという。
こころよりお見舞い申し上げます。

　
「不届き者め！」のそしりを覚悟で言います。
嵐の日、って妙にかしこまって、なんとなく「スキ」、って方いらっしゃいませんか。
じっと耐えて嵐が過ぎるのをまつ・・・。
山の動物たちや、木陰の鳥たちのように。
ニンゲンはそれに「対処する」知恵があるけれど、
それを差し引いても、「かないっこない」と感じるから。
小さい頃は、台風のたびに、机の下に「基地」を作って、
おやつを持ち込んで、好きな本を読む。
それが妙に楽しかったものです。

　
昨日も「ジタバタしてもしゃぁないし」と
作業のPCを落とし、映画をみはじめたとき。
プツッとテレビが消えた。
停電・・・？
嵐が止んでも復旧しない。
暗闇が押し寄せる時間になっても　復旧しない。
ろうそくを出してきたのは何年ぶりだろう。
その日、休業で在宅していた娘に至ってはこれほど長い停電は初めて。

　

　
ろうそくのあかりの下、おうどんを食べました。
「キャンプみたいやろ」
「でも、明かりほしいなぁ」
と、ひそひそ、話す。
なんで、ひそひそ声になっちゃうんだろうね。
我が家は会話は多いほうですが、
こんなに静かすぎる夜に、顔を突き合わすような距離で語りながらの食事は
なにやら楽しいものでした。

　
昭和ならば、トランプでも、となりますが、
いまや暗闇の娯楽は携帯、ノーパソ、タブレット。
乙な時間もわずか。これもまた、よし、でありましょう。

　

　
停電から8時間。
ふっと灯った電灯に歓声！
「普通であること」をキープするために
たくさんの人のちからがあることを、
感謝するのでした。